今朝の朝日新聞で知ったのであるが、昨日、フランスのピエール神父が亡くなったそうである。
フランスでは大ニュースである。
http://fr.news.yahoo.com/photos/070122120941.goqt9gdt-photo-l-abbe-pierre-repond-aux-questions-des-journaliste.html
ピエール神父はこんな人である。
http://fr.wikipedia.org/wiki/Abb%C3%A9_Pierre
フランスで暮らしていたとき、ホームレス問題とか、不法滞在者の問題などで活動しておられる姿をテレビでよく拝見していた。フランスでは、ホームレスや、不法滞在者が、冬の間、集団で空きビルを違法に占拠して住むというようなことをする。
最終的には、警察隊が出動して排除するということになるのであるが、そうすると、アベ・ピエール(ピエール神父)の出番である。白いひげを伸ばし、サンタクロースのような穏やかな顔をしたアベ・ピエールが占拠者たちと一緒に生活を始めるのである。
神父は国民的人気があり、警察としても、同神父を強制的に排除する様子をテレビで報道されるのを望まないのである。こうして、警察隊の実力行使が徐々に遅れるということになる。その間に、政治的な妥協がはかられ、行政側も譲歩せざるを得なくなる。
まあ、こんな感じである。法律家のわたしには、違法活動、違法行為でも、断固として、かつ、平然として支持する同神父の行動力は驚きであった。また、そうした行動をする同神父を、フランスの国民世論がかなり支持しているという点が、もっと意外であった。
神父は、その長い人生の間(享年94)に、数々の事故・事件に遭遇し、九死に一生を得るというような劇的なことの連続であった。それがまた、同神父の神話的人気の源泉でもあった。ご本人の言葉。「わたしの人生は、若死にしたいということを神に祈る人生であった。しかし、ご覧のように、この願いはかなわなかったのです」。
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11年前の日記inフランス。
1996年1月23日(火) 夕方、中心街へ買い物に出かける。帰り道、もう10か月もこの街で暮らしながら、バスを乗り間違える。途中から、雨が凍結し、路面が歩きにくくなる。
夜のテレビによれば、ムルロワ環礁で放射能が検出されるというニュース。例によって、「たいしたことはない」という政府発表を伝えるだけ。フランスのマスコミの根性のない態度は、いつものこと。
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